高血圧とされる基準値は、二十年前より厳しくなっているが、一九八〇年に実施された厚生省国民栄養調査対象者一万人を、一四年間にわたり追跡調査した研究によると、最高血圧が119〜180mmHg、最低血圧が69〜110mmHgの領域にあるどの人たちも、降圧剤を飲んでいる人のほうが、飲んでない人よりも自立度が低いという結果だったという。
こちらの本によればだが。
特筆すべきは、降圧剤を飲んで、最高血圧が120〜140mmHg未満の「正常血圧」に保っていた人は、降圧剤を飲まずに160〜170mmHgもある人より、自立度が低かったという。
降圧剤を服用している人の中で一番自立度が高かったのは、最低血圧を100〜109mmHg程度に、ゆるやかに抑えている人たちだった。
一九九三年に健康診断の対象になった人を、約五年間追跡した茨城県の調査では、160/95mmHg以上の高血圧でありながら、降圧剤を飲んでいない人は、降圧剤を服用して140/90mmHg未満の正常血圧になっている人より、全死亡率も、ガン死亡率も低かった。
なのに、二〇〇〇年に、日本高血圧学会によって「改定」された高血圧の「新ガイドライン」は最高が140mmHg以上、最低が90mmHg以上を高血圧にしているので、その基準だと、日本には五千万人もの高血圧患者が存在するのだという。
コレって、変な話じゃありませんか?