富裕層の富は2010〜2015の間に44%増大(ざっとカナダのGDPと同じ額)して、2010年には、世界人口の半分と同じ富を独占していたのは388人の富豪だったというのに、今やたった62人が独占しているという。
そして、 昨年のダボス会議の前に、所得格差が放置されるなら世界の富裕層1%の富が残り99%の富を2016年までに上回ってしまうと警告したシナリオは現実になりつつあると知って、何を思うだろうか。
それゆえに、日本でも万引きする老人が増えているという。
東京下町のスーパーマーケットで酒や寿司、うなぎの蒲焼きなど7000円以上を万引きした老人が居るというニュースは聞いた覚えがあるけれども、その動機として「死ぬ前に、好きなものを目一杯食べてやろうと思って……」と言うのは医師からは余命3カ月を告げられた末期のガン患者で、所持金はわずか300円で活保護を受給しながら簡易宿泊所で生活している。警察を呼ぶと聞いて、「全然、かまわないよ。いま住んでいるところもブタ箱と変わらないから……」と応える老人が存在しているのが、日本の現実。
以前、刑務所が最後の福祉の砦になっているという話題を、何年か前に書いたけれども、孤独ではナク、医療もお金の心配をせずに診て貰えて、死後の始末もして貰えるとなれば、老後の貧困を思い煩うよりはと、軽微な罪を繰り返して、普通の世の中よりも、あえて刑務所を選ぶ人が増えても、もう驚く気にはなれない。
確実に、格差が増大しているのだというコトは容易に理解出来る。
富の格差を是正するには、世界の指導者たちが労働者の生活に必要な最低限の賃金を支払い、職場での男女平等を推進しなければならないし、租税回避地の廃止にも取り組む必要があるという主張は最もだ。
賃金は上がらず、税金などが上がる世の中の景気が良くなるハズが無い。
日銀が、どんなに世の中にお金を撒こうとしても、一般の人の手には犯罪でもしない限り回って来る可能性が低いというコトか。
豊洲市場のデタラメな工事も、どうせ利権を手にしたい人々の合作に違いないというコトは、誰の目にも見えているだろう。
だが、日本という国は、いつも責任を曖昧にして、ウヤムヤの中で処理される。
一生懸命働いても報わナイと、一般大衆が気付いた時に、誰が政府を信用するのだろうか。
もう少し、国民の生活を大事にして欲しいと願うのは、無理な話なのだろうか‥‥