結局、より多くの人々が余裕資金を持たないから、世の中は行き詰っているのだろうという気にさせられるのが、こちらの本。
著者は、抜本的な改革として、資本移動する時は取引税を課税する、ヘッジファンドへの規制を強化する、特定のデリバティブの禁止と全般的な規制を強化する、タックス・ヘイブンを閉鎖する、資産を貸し出しする比率を引き上げるというコトを挙げている。
一時、大騒ぎしていたタックス・ヘイブン問題も、今は沈静化しているみたいだが、そもそも、大した税金を払わずに、働く人々の賃金を絞っている経営者だけが儲かる仕組みになれば、当然、世の中の景気は悪くなる。
世界の上層部が潤えば、ドンドン下へとおこぼれが落ちて来るなどという、馬鹿げた話に振り回されている内に、世の中のトップは、大きな傘を引っくり返して差して、世の中の大半の富を独り占めしようとしてしまったというコトである。
強欲資本主義は、叩き潰さなくてはイケナイ。
誰もが互いに、助け合って、より多くの人々が余裕を持って生きて行く権利があると、主張し続ける以外に、世の中が良くなる方法は無いのではナイだろうか。