不眠症になると大変だけれど、本当の不眠症な人というのは、全世界で40家系しか存在してナイのだという。
「家族性致死性不眠症」と呼ばれるのだが、普通の人は無理に眠らないでいると、一過性の精神の異常を来しても、眠ると回復するらしい。
という、最新の脳科学から解き明かされる睡眠の謎に迫る画期的な一冊がこちら。
ノンレム睡眠は、「脳が機能を低下させている状態」なのだが、時として夢遊病を引き起こす場合もあり、中には、眠りながら殺人を犯してしまった人も存在する。
一般にノンレム睡眠時には、脳の休息とメンテナンスが行われ、必要に応じて寝返りなど、運動は可能な状態にある。
ノンレム睡眠中は、シナプスの消失が多く認められ、覚醒時につくられた過剰で冗長なシナプスがオーバーロードになるのを防ぎ、シナプスの最適化が行われている。
他方、レム睡眠時には、知的活動時よりも、さらに活発に活動している。全身の骨格筋は眼筋や呼吸筋などを除いて麻痺しているので、脳の命令が筋肉に伝わらないので、夢の中での行動が実際の行動に反映されることはない。
しかも、記憶を感情の重さで整理していて、重要度にそって階層化し、サムメールをつける作業をしているのだが、それが意識にのぼった場合に夢という主観的な体験になるのではないかと。
睡眠をとると、ポジティブな記憶がより残るのに対して、睡眠不足だと記憶力が全体的に低下するのに、ネガティブな感情に関わる記憶だけはしっかり残ってしまうのだという。
よく寝ると、嫌な思い出が消され、楽しい思い出や、学習の効果が残るというのだから、我々は良質の睡眠を取る努力をすべきなのかもしれない。