アルツハイマー治療薬を、歯に適用した場合、象牙質を修復する自然なプロセスを促進する作用も認められるという論文を英ロンドン大学キングス・カレッジの研究者らが発表したという。
それにしても、コレが実用化されれば画期的だが、インターネットの普及で世界各国の話題がスグに駆け巡る事の素晴らしさを改めて感じたのが、こちらの本。
薬と毒は、表裏一体の関係にあるというコトを教えてくれるのだが、エピソードの中で、とても衝撃的だったのが、消毒の方法を最初に考えたゼンメルワイスと消毒法を確立したリスターの人生の明暗。
産褥熱は敗血症であるとゼンメルワイスが発表しても、産婦人科医が自分の過失を認めたくナイと無視したタメに、精神状態が不安定になって、精神病院に入院して、失意の内に亡くなったというのに、片やリスターは外科手術の死亡率を激減させたとして、大学教授になり、男爵となり、上院議員までなったとのコト。
二人の生まれた年の差は、九年。
一人は早死にして40代半ばで、一方は順風満帆の人生を歩んで80代半ばまで生きたという。
今から、約200年前に生まれた二人の人生を分けたのは、研究を幅広く伝えられたか否かにポイントがある。
そう考えると、色々と問題もあるけれども、世紀の発見みたいなモノを即座に世界に伝えて、誰かに横取りされずに済み、良い研究が封印されナイというコトが、どんなに素晴らしいか。
ともあれ、教会が薬物を独占管理したが故に、薬草を摘んだり煎じて治してした女性達が魔女として裁かれた過去があり、その流れにジャンヌ・ダルクも存在したとも知りませんでした。
人間は、毒と薬を様々に使い分け、進化して来たのだなと教えられた名著です。