神奈川県で、八十代の夫が死に、その介護をしていた妻が川で死んでいるのが見つかったという。
その手の色々な問題を纏めたのが、こちらの本。
何にしろ、介護に回すお金が絞られているので、こういう状況が起きるのだけれども、そうした状況は全国で広がっている。
そうして、税金を削って何をしているかと言えば、今日の白々しい首相の会見の様に、岩盤規制に穴を開けたのでは無く、財政に穴を開けたダケ。
今治市は、加計学園の獣医学部誘致によって年間3000万円の税収増が見込めるというが、その為に今年3月に37億円相当の土地を加計学園に無償譲渡し、さらに最大で約96億円、つまり獣医学部建設費の半額を税金から拠出することになっていて、これは市の歳出の12%にも当たるというのでは、本末転倒だろう。
すでに今治市の財政は逼迫していて、子供の医療費補助もなく、生活保護申請も水際で拒否されるケースが多発しているというのだから、変ではないか。
銚子市の財政は破綻寸前で、その大きな原因となったのが、加計学園系列の千葉科学大学を設立するための補助金支払いで、千葉科学大学建設による銚子市の税収増は、水道利用料などの財政効果が年間2億6000万円ほど。一方、建設費支払いのための地方債負担は年間4億6000万円で、年間2億円の負債を20年間分増やす要因になり、「結局、銚子市は千葉科学大学のために77億5000万円を投じたあげく、40億円も赤字を増やして財政破綻寸前まで追い詰められただけだという。
誰が得をして、誰が損をしたのかというコトを考えれば、規制撤廃という美名に隠れた物事の良し悪しが見えて来る。
こんな出鱈目な政治の犠牲になるのは、結局、弱者なのである。
そして、今、自分が弱者で無かったとしても、長生きして老人になった時に、弱者にならないとは限らない。
『どうせ他人事だ』と思っていても、必ずしもそうなるとは、誰にも言えないのが介護問題であり、少子高齢化社会の怖さである。