人間が進化した動物だからと言って、全てが他の生物と比べて優位というワケでは無いという気持ちにさせられる本がこちら。
この世界に太古から生息している昆虫には、それなりの生命力が秘められている。
例えば、ハエはバイ菌だらけの環境でも生きられる。
故に、その研究が進めば抗菌などに絶対的効果があるモノも見つけられるという。
昆虫の持つ能力の奥深さは計り知れず、素晴らしい薬を製造する手引きになるかもしれないと。
つまり、昆虫は病をもたらす媒介者であるものの、難病治療のヒントをもたらす貴重な存在。
スズムシの鳴き声がPTSDを癒したり、コオロギの成育環境が他者との交流の違いにより、闘争本能が違ったりと、人間の生き方についても参考になる部分がありそう。
あまりに満たされた環境や触れ合いのない環境で育てられると、脳の正常な発達を損なうので、現代社会のうつや引きこもり、衝動的な悪意にも関わりがあるかも。
ともあれ、たくましさの秘訣は「ほとんど貧乏、時々贅沢」な暮らし。
常に満たされていると生命力が退化するけれど、ずっと貧乏でも栄養が不足するので、厳しい環境に置かれつつ、時折、美味しい餌にありつくという、自然界に近い状況で暮らせば、相応の生命力が備わるというのですから、我々も肝に銘じるべきかもしれませんね。