とはいえ、全く仮想的有能感が無いというのも困ったモノで、著者はシュルツの描く漫画、ピーナッツに於ける、チャーリーとルーシーを代表して説明させているのが、こちらの本。
何か問題が起きた時に、全て自分の失敗と考えるのがチャーリーで、他の誰かのせいで失敗したのであって、自分は間違ってナイと思うのがルーシー。
そのどちらも、間違った考え方をしているという。
この本で、一番指摘されているのは、ルーシー的人物であり、自分が幸福と心から感じている人は、周囲の人を無理に批判したりけなす必要は無く、自分への批難を素直に受け入れる。
それが出来ないというのは、劣等感の裏返しだと指摘している。
タダ、チャーリーみたいに完全に自信喪失してしまうのも、漫画であればともかく、現実には活き辛いだろう。
人生は、何事もホドホドというのが、この問題にも。
過度に自分に対する「仮想的有能感」をつのらせ、逆に周囲の人は皆が馬鹿と思っていたのでは、誰とも仲良くなり難いだろうし、自分の幻想の中でしか生きられない。
いわゆる、大人に成りきれてナイ人というのは、必ずしも若者だけでもナイとは思うが。
実際、政治家の中にも詭弁を弄する人は多かったりしますしね。
少なくとも、「失敗は成功の母」と割り切って、失敗の原因を突き止めようとしたり、失敗した悔しさをバネにして努力しなければ、未来は拓けて来ないと思う。
まずは、ありのままの自分を受け入れるコトこそが、将来へのステップの第一歩ではないかという気がするのだが。