2018年05月31日

オーウェルって偉大

オーウェルと言えば、代表作は『1984年』だけれど、それだけじゃなくて、本当に偉大だったんだなと改めて感じた一冊。


古い本ですが、書庫から何となく手にしたくなって、改めて読んでみた。

「ナショナリズムについて」を読んだら、今まで不思議だったコトが、明快に理解出来たというのも、彼によるとナショナリズムと愛国心ははっきり違うと書かれている。

無意味に道徳を教科として入れたがっている人々の、モラルの欠如に驚いたりしたけれど、それも当然のコトと判ったからである。

オーウェルが「愛国心」と呼ぶのは、特定の場所と特定の生活様式にたいする献身的愛情であって、その場所や生活様式こそ世界一だと信じてはいるが、それを他人にまで押し付けようとは考えないものである。愛国心は軍事的にも文化的にも、本来防御的。

一方、ナショナリズムのほうは権力志向とかたく結びついている。ナショナリストたるものはつねに、より巨大な権力、より巨大な威信を獲得することを目指す。それも自分のためではなく、個人としての自分を捨て、その中に自分を埋没させる対象として選んだ国家とか、これに類する組織のため。

ナショナリストは、いったん自分の立場を決めたあとは、それが事実いちばん強いのだと自分に言い聞かせて、客観的情勢がどれほど圧倒的に非であろうと、この信念を固守することができるのである。ナショナリズムとは自己欺瞞をふくむ権力願望なのだ。ナショナリストたるものは例外なく、どんなに目にあまる不誠実な行為でもやってのけるが――自分より大きなものに殉じているという意識があるために――自分はぜったい正しいという不動の信念を持つこともできるのである。

なるほど、どんなに目にあまる不誠実な行為でもやってのけるナショナリストが、この国を跋扈しているのかと、変な意味で納得させられてしまいました。

ある意味、とても恐ろしいコトなんだけれど‥‥
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Posted by seitaisikoyuri at 22:49│Comments(0)
 
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