今は、価格破壊が進んでいるので、質を問わなければ一見して「貧困」とは判らない高校生が、家族のタメに働かざるを得ない「貧困状態」に居る場合もある。
昔の方が、日本全体の生活水準が低かったから、そういう大変な若者も多かった。
それでも、当時は中卒でも正規雇用になれたし、無論、高卒でも大企業が正規雇用してくれた。
でも、今は大学を出たとしても、優良会社に正規雇用されない場合も多い。
会社が、なるべく労働者の賃金を抑えたいと、非正規雇用を推進しているからだ。
故に、働く高校生が自己実現のタメに苦しむコトになる。
上記の本の中に出て来る高校生は、とても健気である。
だが、実際には、貧困に負けたのかもという実例も存在するコトだってある。
主人の知り合いの子沢山の家庭の長女は、まさにこの「高校生ワーキングプア」の一人だったと思う。
だが、とても頑張り屋さんで、夜間高校をしっかり単位を取得したというので、三年で卒業した。
そして、看護学校に入学したまでは、とても良かったのだが、入学して数か月、妊娠が判明して、元夜間高校の同級生と結婚して、旦那となる相手の親の家で新婚生活をするという。
本人が望むのであるから、周囲に居る無関係の大人達は何も言えないけれど、概ね、何も退学までしなくとも、休学してでも子供も産むけど、看護学校を続ければ良かったのにという反応。
勿論、父親となる男性がしっかり働いて、幸福な暮らしが永続するのであれば、それが一番だと思う。
タダ、今後、産まれて来る子供だって、大きくなるタメには、それなりの生活費が必要になる。
子供の手が離れて働くとして、余程のコトが無ければ、非正規以外の職があるとは思えない。
せめて、看護師にさえなれていれば、正規職も望めるかもしれないし、ダメでもある程度高給での非正規雇用が可能になる。
そういう実例を知ってしまうと、この本の中に出て来る彼等が、チャンとして職に就けて、余裕のある暮らしが訪れるコトを願うしかナイ。
別に、貧しくは無かったが、高校時代に勉強よりも、実家の手伝いを優先されられた時代の子供とすれば、若い時には体力があるので、苦労でも何でも頑張れば出来る。
そして、しっかり働けば、時代もあったと思うけれど、それなりの人生は生きるコトが出来た。
今は、もっと大変な時代だとは思うけれど、それでも厚生年金など二月しか掛けたコトが無くて、国民年金しか老後には当てにナラナイが、それでも多分死ぬまで何とかなる予定という人生もあるのだから、高校生で働くのは辛いかもしれないが、「若い時の苦労は買ってでもしろ」だと思って、先々を夢見て頑張って欲しいものである。
勿論、自力だけでは矢折れ力尽きるコトもあるから、ある程度の社会のフォローがあった方が、落ちこぼれる可能性が低くなるので、必要だろうとは思うけど。