「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」と書かれたのは、サルトルの恋人として有名なボーヴォワールの『第二の性』だったと思うが、それから何十年も過ぎても、類似の議論は繰り返されている。
そして、案外、男性に媚びへつらった女性の方が、社会で重宝されやすい。
政治家の中でも、特に自民党の比例代表などで、その手の人物が選ばれやすいという現実もあるし‥‥
ともあれ、そんな風潮について日本でも書かれた本がこちら。
こちらを読んだレビューが、実にそうした空気を充分に反映している。
そうだよね的なのも有れば、貶しているのも有って、正に日本の空気がそのまま。
そうした問題に対して男性側から馬鹿にした様な意見が必ず寄せられると共に、それに同調する、いわゆる「女の敵は女」みたいな人が、必ず存在するというのが、如実に反映している。
普通であれば、女として生きていれば、その手の問題に気付かない人は居ないのではなかろうか。
そうした風潮に対して、無理に反論するという姿勢には頭が下がる。
いわゆるモノグサなので、男にゴマをする事も出来ないかわりに、反論するのも面倒だったりするので。
タダ、彼女の書いているコトは正論である。
しかし、今の日本では正論を正論として受け入れない人が、結構居るというコトが、レビューを読んでいるだけで判るというのも、現実。
「ゴマメの歯ぎしり」になろうと、果敢に挑んで行く著者の姿勢は読んでいて、頭の下がる思いではある。
ちなみに、標準世帯とは全く違って生きる人生を選んで生きて来ているので、著者の思いは充分理解出来るから。
専業主婦になって、適当におだててあげて、掌で転がしておけば良いのだという人には、まず理解されないという気もするのだが‥‥