社会がどうなれば良いのかというコトが、明確では無くなった時代への提言とも言える本がこちら。
ケインズは、1日3時間働けば、大丈夫な社会が来ると予見したけれど、実際はそうはならなかった。
何故なら、人間の欲望が勝れば、もっと労働をしようと思うし、格差社会によって、充分な賃金を得られない階層が生まれてしまったからだという。
お金を求めたいと思えば、より労働にいそしまなくてはナラナイ。
結果、必要を満たして余暇を楽しむという生き方が出来なくなっているのだと。
健康、安全、敬意、個性、自然との調和、友情、余暇という基本的価値を大事にして、終わりなき競争からの脱却無くして、人生の充実は不可能。
広告に踊らされ、他者との違いに苦しめられるコトなく、自分らしい人生を模索して、余暇を楽しめる人間らしい生活こそが、我々の求めるべきモノではないかという、あまりに当たり前過ぎる感じもするが、資本主義にも理念が必要だと説く、画期的な一冊。
稼いでいるハズなのに、人生が虚しいと思う様な方々には、是非とも一読して頂きたいと思います。