政治家にヤジを飛ばした位で、警察が排除するのが当たり前になりつつある時代への、警告なのかと思う小説がこちら。
戦後スグの混乱期の終息と共に、戦前回帰しそうな警察の体質を描いている。
流石に、ミステリー仕立てなので、内容は書けないけれど‥‥
「公安」は「国民の安定」を守るだけの組織になるのか、それともというトコで話は唐突に終了するのだが、現実を踏まえた話なのだから、その辺りは自分で考えるべきだろう。
ともあれ、この話を読むと、戦後最大のミステリーと言われた下山事件の背景も、類推されて怖い。(こちらについては、柴田哲孝氏の著者がかなり真実に近いとは思うけれど)
少なくとも、共産主義であろうと、建前的な自由主義であろうと、独裁主義になってしまえば、世の中はとても不自由になるのは自明の理。
それは、過去の歴史が証明しているのだから、日本人はもっと歴史を学ぶべきだと思うけれども、今の教育ではあまり期待出来ない。
子供達は「日本史」が必修では無かったので、知らない人物が多くて、時々、驚いてしまったりする。
ともあれ、興味が無ければ、知りたいとも思わないので、仕方ナイのだけれど、歴史好きな人間からすれば、「人間というのは、馬鹿みたいに何度でも、同じ過ちを繰り返し続ける」と思ってしまうので、とても残念である。