2019年10月24日

ウィナー・テイク・オールの国

ウィナー・テイク・オール理論というのは、トリクルダウン理論と違って、勝者が全てを手にするという理論である。


上記の本に、二つの違いが明確に書かれているけれども、日本で、トリクルダウンという言葉が一般的になったのは、竹中蔵相が提唱し始めた辺りではなかったかと思うのだけれど、実際は上層部が儲けても、それは下々には降りて来ずに、全てが富む者達のモノになってしまったという現実がある。

実際、トリクルダウン理論に沿って、日本のお金持ちに減税が行われ、正規雇用が破壊され、非正規雇用が増大して、生活が苦しくなった人々は、日本に増えたのだから、全くの詐欺みたいなモノであった。

にも関わらず、平気で「私たちはこれからすごく長寿の時代を生きることになります。たとえば100歳まで生きるとすると、90歳くらいまでは働くことになる」と、性懲りも無く述べているらしいのだが、本当に90歳の人間が働けると思っているのか。

長寿の人が周りに多いので、そうしたお年寄りを見ていても、どんなに達者な人でも、80歳になると徐々に身体が衰えて来る。

加えて、85歳を過ぎると徐々に認知症が始まったのではないかという感じになり、90歳になったらホボ認知症というのが現実。

もし、自分の裁量で働けるという環境にあるのならともかく、何処かに勤めるなどというのは夢の又夢の世界。

老人になっても、相手との受け答えは一見正常なのだが、それをしばらくすると忘れてしまって、トラブルになりかねない。

そうした時に、相手に損害を与えかねないので、自分で損しても自分で被るしかナイという環境であればともかく、そうした危ない状態の人を雇うというのは、ホボ考え難い。

そもそも、高齢者の労働者が250万人も増えたのは年金だけでは、ゆとりがナイからという人も居るだろうが、とても年金では生活出来ないからという人も多い。

我が家にも、とにかく年金では到底生活出来ないし、といって働くには身体が丈夫でナイとダメだからと、後期高齢者の方々が生活のタメの必要経費と割り切って、通って下さっている場合もある。

2018年の「労働力調査」によると、非正規雇用の割合は65歳以上で76.3%とダントツに高いそうだが、無論、我が家に通う方々も非正規雇用であって、時給は高くナイ。

上記の著者が述べている後半とは違って、食べるタメには働く以外にナイという方が、存在しているのだ。(無論、生活にゆとりをと、働いている同僚が居るという話も聞くけれど)

ともあれ、高齢になって一人で生活している人は、昔から「二人口は食えるが 一人口は食えない」という諺が有る様に、生活に必要な経費が一人当たりにすると割高になるので大変である。

それでも、「年金で暮らせるからと安穏としてして、ボケてしまうよりは、働いていると脳が活性化するので」と言いつつ、そういう方々が少しでも働ける様にと、こちらも一生懸命で施術しているのが実際である。

ただ、それでも90歳までというのは、不可能ではないかと危惧している。

そういう方々を直に知らずに、理想を当然の如く述べて、社会保障を削り続ける愚策は危険である。

今後の日本がどうなるかと言われても、今みたいな政府のスタンスでは、暗黒社会としか言えそうにナイ。
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Posted by seitaisikoyuri at 22:27│Comments(0)
 
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