人は洗脳されやすいのだという。
人を操る技法は、悪用も善用も可能なので、その存在を知ることが、あなたの心を守るワクチンとなるというコトで書かれた本。
心を操る技術は、国家的な規模で研究されてきた長い歴史を持つ。
パブロフが先鞭をつけ、CIAも追随した、行動を操る技術。
人をある種の極限状態に置き、意のままに動かすこの技術は、反体制的な人物をコントロールするため、かつて東側諸国の国家機関が利用した。
一方、フロイトに代表される心理療法は、その後、天才催眠療法家ミルトン・エリクソンがその技術を大きく発展させた。
心を気づかれないうちにある方向へと誘導する「イエス・セット」や「ダブルバインド」などの技法は、エリクソンが考案したもの。
これらの技術の集大成は今、広告戦略や怪しげな人心誘導術として“民間活用”されていると知らなければ、知らず知らずの内に、誰かに取り込まれてしまう可能性も高い。
人というのは、ある意味信じたいモノを信じるという部分もある。
故に、親和性の高いモノに魅かれるのだから、より危険だと知っておいた方が良い。
今は、詐欺すら、この手口を用いかねないのだから、やはり自分は大丈夫という意識を捨てて、こうした本に親しんで、被害に遭わない努力をしておくべきなのだろう。